あなたは味覚で損していませんか?

私は、現場にて患者様に対しては勿論、このブログにおきましても咬合噛み合わせ)の大切さについて、繰り返しお話しさせていただきました。

皆様がご自身の歯を、長く健康に保たれる上でも大切な噛み合わせですが、本日は噛み合わせと「味覚」の関係についてお話しさせていただくことにします。

ここ数年、硬い食べ物をうまく噛めないお子さんが増えているといわれております。
よく噛まないと消化吸収によろしくないことは勿論ですが、実は味覚の発達にも影響してくるのです。

一体どういうことか、ご説明致します。

まず人間だけでなくほとんどの動物が、本能的に軟らかいものを好むのだそうです。

実際、硬いものを、顎をよく動かして噛むことは手間であるといえますからね。

それでも私たちが噛むことを選ぶとすれば、動機は1つしかありません。

「美味しさを味わいたいから」です。

大阪大学特任教授であり、味覚生理学と脳科学を研究されていらっしゃる歯学博士の山本隆先生もご指摘されていることですが、
私たちが何かを「おいしい」と感じる時には、次のような流れを経ています。

・食べものを口の中に入れる。

・舌や口の中にある「味蕾(みらい)」という器官が味の刺激に反応する。

・脳に味の情報が伝わる。

・おいしいと感じる。

この一連の流れは、ある行為によって一層活発になります。

もうお分かりですね。その行為が「噛む」ことなのです。

たとえば、左右両側の奥歯(大臼歯)の横には筋状の溝があるのですが、その溝の奥に「味蕾」があります。

そしてこの溝は通常閉じておりまして、奥歯でしっかりとよく噛めば、溝が開いておいしさを感じることができる仕組みになっています。

逆に、食事をよく噛まなければ、味覚のセンサーともいえる味蕾は反応しません。早食いはせっかくの食べ物のおいしさを半分以下しか味わえないことになるのです。

また、噛み合わせが悪くてしっかりと噛み続けることができない方も、残念ながら同じことがいえるでしょう。

ですから、歯科医に噛み合わせを調整してもらうことは、歯周病対策になるだけでなく、食事をおいしく味わえることにもつながることを、覚えておいていただきたいと思います。

また、おいしさの大きな要素である歯ざわりや噛みごたえは、歯と歯槽骨をつなぐ「歯根膜」の神経が感じとっています。

これも、歯が抜けた場合歯根膜も失ってしまいますので、たとえ入れ歯を入れて噛めるようになったとしても、
それまでに感じられていたおいしさは感じられなくなるのです。

今義歯になっていない方はそのリスクを知っていただき、歯を抜かなければならなくなる前に歯医者のメンテナンスを受けることが重要になってきます。

明日は、お子さんの噛む力を育てる時に気を付けておかねばならないことなど、この続きをお話しさせていただきますね。


あなたのお口の設計士:長谷川浩之
千代田区丸の内にある2つの歯科医院にてドクター兼理事長を務めさせて頂いております。
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