「歯医者は痛くない歯まで削るじゃないですか」

今回は予告させていただきましたとおり、当院の「歯を削ることに対するポリシー」について、お話しさせていただきたいと思います。

まずは、当院で歯周病の予防治療に力を入れ始めた頃の、とあるエピソードをお聞き下さい。

ある患者様の治療を終えた私は、最後にその方に、「定期的なメンテナンスの大切さ」をお話ししておりました。

「痛くなってから」「症状が進行してから」対処するよりも、「悪くなる前に」治療にあたることで、治療時間・通院回数・痛みの全てが少なくて済むからです。

そのことを説明させていただき、「では次回は、3ヵ月後に来て下さいね」と私は申し上げました。

すると患者様は、こう言われたのです。

「来るのはいいけれど、痛くもない歯まで 歯医者は削るじゃないですか…」

これは、ほとんどの歯医者で確かにそのとおりなのです。

なぜ、まだ痛みのない歯まで削るのか。

その理由は、一言で言えば「虫歯は自然治癒しない」からです。

C0やC1と呼ばれる小さな虫歯であれば、実際、それほど痛みを感じないことがほとんどです。ですが、それを放っておくと、その虫歯がいつC2、C3・・・といったひどい虫歯へと進行してしまうか分かりません。

(もし虫歯が、体の傷のように時間が経てば自然治癒するのであれば 放っておいてもいいのですが。)

一度出来てしまった虫歯は、自然には治らない。だから、削って治すしかない。

これが、ほとんどの歯科医の判断でしょう。

ちなみに先日のニュースコラム「“死ぬほど痛い歯医者”はなぜ減ったのか」にも書いてありますとおり、以前と比べますと歯を少ししか削らなくても良くはなりました。

(以下、一部引用)
>昔は歯の接着剤が良くなかったため、詰めものがとれないように、
>深く削って詰めなければいけないという事情があった。
>ところが、15年ほど前から優れた接着剤が登場し、大きく削らなくとも
>詰め物がきちんと詰められるようになったのだ。

削る量が少ない分、治療の痛みや負荷も減ったというわけです。

でも結局のところ、患者様にとってみれば「削られることに変わりはない」のではないでしょうか。

そこで、予防治療を大切にする当院ではこう考えます。

「その小さな虫歯を、メンテナンスで進行させないこともできる」

定期的なメンテナンス、そして正しいブラッシング指導によって、虫歯が深くなることを防ぐことも、可能なのです。

ですから、私はC0、C1といった虫歯は、症状を診た上でできるだけ削らないようにしたいと考えております。

ただ知っておいていただきたいのは、小さな虫歯であっても、歯石や細菌の巣窟になっていれば、C2、C3、C4という虫歯になってしまう、ということです。

それをチェックさせていただくために、私たちは定期的に来て下さいねと、皆様に申し上げております。

歯を削らない」というような選択ができるのも、予防治療に自信があるからこそです。


あなたのお口の設計士:長谷川浩之
千代田区丸の内にある2つの歯科医院にてドクター兼理事長を務めさせて頂いております。
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