海外では切開が大雑把でも大丈夫?その理由は~立食パーティー(1)~

今回シンポジウムに参加し、海外の先生とお話をする中で、日本との違いなども様々な面で感じました。

まず今回のシンポジウムで感じたことは、日本の先生のほうが細かい施術をしているということです。
なぜかというと、歯茎を開いて骨を出す際、アメリカの先生の切開は大雑把な印象を受けたためです。

日本ですと、慎重に舌側から開いたりします。
それは、歯茎の位置は切開面で決まるからです。

インプラントを入れた後に高さが揃うように考えて、裏側のほうから切開します。
そうした上で骨の補填剤などを入れると高さが揃うため、審美的な面から考えても、どのように切開するかは重要なのだと私は思います。

しかし、シンポジウムでの発表で審美的なことを考えて切開のラインを変えた方は1人だけでした。

夜に立食パーティーがあり、アメリカから参加されていた歯科医師の方とお話する機会に恵まれたので、その点についてディスカッションをしました。

その結果分かったことがあります。

黄色人種は白人や黒人に比べて歯も小さく、エナメル質も薄い人種です。
それと同じように、歯肉も薄いのだということです。

そのため切開に気をつけなければなりませんが、白人や黒人の方々は歯肉が厚いため、そこまで慎重になる必要はないのだと気がつきました。

ただ、切開面ではそこまで慎重にならなくても良いアメリカですが、他の点で気をつけている点があるというお話がありました。

それは「ブリッジ」についてです。

奥歯が3本欠損した場合、日本では大抵ブリッジをしています。
しかし、アメリカではブリッジをしないのだというのです。

それも人種の違いだと思います。

ディスカッションした先生に「ブリッジにしたらアバットメントのネジは緩んでこないか」と聞かれました。

私は「時々でしたらそのような方もいらっしゃるので、 その時はネジを締めなおしますが全員ではない」とお話しました。

しかし、アメリカでは確実に起こることであるというのです。
日本人が起こらないのはなぜでしょうか。

それは、筋肉の違いなのだと考えられます。咬筋のことです。
がっちりとした顎の方は、咬む力が強いため、咬耗摩耗が起きます。
咬んでいると歯が磨り減ってきてしまうのです。

逆に顎の細い方は咬筋が強くありませんから、
ブリッジをしていても負担がかかりません。
白人や黒人の方々などはそもそもの身体のつくり、筋肉が強いため、咬筋も全体的に強いのです。

そのため、ブリッジではなく全てにインプラントを埋め込んでいるのだと思います。

ましてや、アメリカは訴訟大国でもありますので、細心の注意を払って問題が起きないようにする理由もあるのかもしれません。

しかし前歯に関しては、アメリカでもブリッジをするそうです。
なぜかというと、奥歯は咬合紙1枚で抜けないくらいの咬み合せでないといけませんが、前歯は咬合紙3~4枚で抜けないくらいの咬み合せが理想だからです。

なので、前歯は奥歯ほど負担がかからないんですね。
その点は日本と同様でした。

何事も、国によって、国に合った形で発展していくものだと実感しました。


あなたのお口の設計士:長谷川浩之
千代田区丸の内にある2つの歯科医院にてドクター兼理事長を務めさせて頂いております。
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