実は、顔の見た目で歯の形を変えています。

現在は特別編として、先日の講演会でご縁のあった方に、休憩時間や終了後に個別にお話しした内容を連載しております。

講演会

前回は、
治療した歯が再び虫歯になるのは、前の歯医者が下手だったからなのか
という内容について、多くの人が知らない歯周ポケット検査の効果から解説をさせていただきました。

今回は、顔貌と咬筋、そして我々歯科医が作る歯の形の関係から、歯医者を選ぶのに参考となる基準の1つを書かせていただきます。

本日のタイトルどおり、私は患者様の顔の見た目から、お作りする歯の形も変えるようにしています。

どういうことなのか、順を追って説明しますね。

まず私は、患者様の顔貌(がんぼう)を見て、その方の咬筋を判断いたします。

お顔の輪郭、特にお口や顎のまわりを見れば、その方の咬筋が強いのか、それとも弱いのかが分かるのですね。

私が咬筋をなぜ気にするかというと、噛む力にダイレクトに関わってくるからです。

簡単に申しますと、
咬筋が強い=噛む力が強い
咬筋が弱い=噛む力が弱い
と判断するわけです。

そして、繰り返し申し上げていますが、噛み合わせの問題というのは口内環境を考えますと本当に外せない、大切なことなのです。
(噛み合わせが悪いだけで歯周病にまでなりますからね。)
さて、続いて私たちがお作りしている歯の形状のお話に移りましょう。

インプラントをはじめとする「かぶせもの」ですが、その歯のてっぺんの部分は、どういう形にするのがいいと思われますか?

・・・と聞かれれば、「上下がきちんと噛み合う形にする」ことが答えだと思われるのではないでしょうか。

もちろんそうなのですが、では次の図のような歯を作る時、歯の頭の部分である「咬頭傾斜角(こうとうけいしゃかく)」の大きさは、何から判断して決めればいいのでしょうか。

咬頭傾斜角

「咬頭傾斜角」 言いかえれば、「歯の溝の深さ」ですね。

実はここで、お一人お一人の咬筋の強さまで考えて、咬頭傾斜角を調節できるかどうかがポイントなのです。
(歯科医の腕の見せ所です。)

どういうことかと申しますと、たとえば咬む力が強い人に、咬頭傾斜角を大きくした歯、つまり歯の溝を深くした歯を作ってしまうと、どうなるでしょう?

歯の溝が深い分、上下ががっちりかみ合います。
そして、溝が浅い歯と比べ、歯を横にずらそうとしても、溝が深ければ歯は横にずれません。

「ぴったり噛み合えばなんでもいい」というわけではなく、咬筋が強い分、その歯に負荷・圧力がかかってしまうのです。
そして、歯がグラグラになったり、歯茎が炎症、最悪の場合歯周病を引き起こしてしまうことにつながるのですね。
ですから咬む力の強い方には、咬頭傾斜角を小さくし、歯の溝が浅めになるようにするのです。

咬頭傾斜角以外にも、歯の「点接触」「面接触」などポイントはいくつかございますが、こういった細かい技術・調整が、結局「あとどれくらい、この歯で健康に噛めるか」を左右していきます。

ですから、「ただ噛み合えばいい」だけではなく、患者様の咬筋から判断し、こうした歯の微調整にまで手を抜かない、また、そういうところまで考えられるかどうかが、優良な歯科医の条件の1つだと、私は思っております。


あなたのお口の設計士:長谷川浩之
千代田区丸の内にある2つの歯科医院にてドクター兼理事長を務めさせて頂いております。
お悩み・ご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。


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